2004.02.18に行われた「丸山先生レクチャーシリーズ」でのdiscussionがWebに掲載されてまして、これが非常に興味深い! 丸山先生やIBMの関様、他、見識ある方々が、Gridを主にしつつも多岐にわたってお話されています。
印象深い部分を要約するならば、
- OGSIでは、オブジェクト指向性が強すぎる
いや、全く同感(^^;; Enterpriseな分野では、「データとロジックは明確かつシンプルに分かれている」という仕様の方が、現実的なメリットを得られることの方が多いですよね、きっと。OOの抽象データ型的概念が嫌われると。だからWSRFとWS-Resourceが出てきたわけか…。分散システムの粒度も、オブジェクト単位で分散するよりもサービスやコンポーネント単位で分散している方が、結合依存性も低いし、使いやすいでしょ。 - デファクト規格、デジュール規格、フォーラム規格、しかし…
「デファクト」と「デジュール」のいいとこ取りをしたものが「フォーラム」で、標準化の仕方としては「フォーラム方式」である程度落ち着いた、と、私は思っていたんですけど、なんかこの記事では足りてない部分の指摘が多いですね。 - OSI参照モデルはなくなった!?
「なくなった」ってどういう意味でしょう?SOAPなどの出現によってアプリケーション層が細分化し、従来のOSI 7階層では現在のネットワークを説明しきれないとは思っていますが… - ユーザがまず気にしているのは「安くて早く実装できること」 そのための「オープン」の必要性
- ユーザから見た「標準」の必要性は、「ベンダー・ロックインの回避」にある。
なるほどね〜。わかりやすい。
論者の皆さんは一様に、「SOAPをインフラとしたOGSA/WSRFのような技術分野が、かつてのTCP/IPやHTTPのように、今後の基盤技術になっていく可能性がある」という意識をお持ちなのだと感じます。いや〜、この分野は先行しておいて損はないですね〜。