Bio@Homeに関する日経BPの記事を私なりに要約しておきます。主観アリで。
Bio@Homeも、遊休PCリソースの有効活用を目的としたグリッドシステムなんですけど、SETI@Homeや、UD Cancer Research、cell computingと異なる点は、
- NTTフレッツ網内で、ある程度”閉じた”システムであること
- ボランティア参加ではなく、参加者への具体的なincentiveを考慮していること
- 計算資源だけでなく、データ資源もシェア(データグリッド)すること
ということです。グリッドの事業化に向けて、その課題を明確にするための叩き台とするんでしょうね。 で、知りたいのはその課題なんですけど(^^;;
- リソース提供者へincentive
ビジネスとして成立させたいなら、参加者に対して、何らかの見返りをあげないと。PCの電源を1ヶ月間入れておくと、電気代だけで700円かかるわけだし。また、そのために、参加者の参加状況を正確に管理、記録する仕組みも必要であると。 - パフォーマンス
「一つのデータベースに対して検索を行うDDBJでは5〜6秒程度で結果が表示された検索内容も、Bio@Homeでは20分以上を要した」らしいです。まだパフォーマンスメリットを得ることは難しそう。だから今は「低コスト性」が期待される。なので、前述の”見返り”のためのコストによって、TCO削減メリットが相殺されてしまうのであれば利用する価値はない。 - セキュリティ
技術的なNetwork Transportの秘匿性を確保することは勿論ですけど、機密度が高いデータの場合は、参加PCへ渡すデータの形式とかも考えないといけないだろうし、PCに常駐するアプリケーションがセキュリティホールを生んじゃいけない、とかね。
なんだか、問題山積みのような…。特にパフォーマンスとか気になります。現在はまだ、スケールアウトよりもスケールアップの方が、メリット多いってこともあるだろうし、スケールアウトするとしても、クラスタ的な解決の方が制約が少なくて済みそう…。肌画像解析グリッドも、どっちかっちゅうとクラスタ的なソリューションだわさ。