Ajaxというものについては、CNETのPaul Festaの記事が私の理解に一番近いと感じる。要点は、
- Ajaxのメリットは「run anywhere without any add-on」ということであり、インターネットを介した不特定多数のユーザー向けのサービスにおいて、そのメリットが生きる
- 逆に、デメリットは数多く、「開発・保守が難しい」「他システムとの結合・分離が容易にできない」などが挙げられる
ということに尽きるのではないか。
Googleのような高いスキルを持った技術者を多く抱えられるようなところでないと、Ajaxを前面に出したシステムの構築をビジネスとすることは、リスクが高過ぎるように思われる。
例えば、企業内システムのような、ユーザーや利用環境が限定できるサービスに対しては、XULなり、Flashなり、XAMLなりの開発し易さ、保守のし易さというメリットを生かした方が好いだろう。
Googleは、自社の技術力と、ユーザーの利用環境、ユーザビリティを考えて、現時点ではAjax(というかJavaScript)を選択したに過ぎない。
#新技術に惑わされず、既存の技術を使うという判断ができるところがGoogleの凄みではあるわけだが…。
「ページ遷移とサーバ通信が交互に行われる」という形が現在は確かに一般的過ぎて、「データをバックエンドで非同期に取得して表示する」という手法がこれだけ脚光を浴びることはこれまで少なかった。しかし、存在しなかったわけではなく、むしろありふれているし、私ですらそうした設計のシステムに関わったこともある。
Ajaxとは、そうしたシステムをJavaScriptでも構築できる、ということであって、今更、その何に騒ぐ必要があるのだろうか?