今期のF1も7戦を消化して、選手権争いの構図が明確になってきました。昨年までと違って、混戦の度合いが大幅に高まり、観る分には面白いはずなのですが、どうも釈然としません。それは、新ルールに納得できないからです。
一番の問題は、安全性に関することです。1セットのタイヤしか使えないことが、先のEurope GPでのライコネンのリタイアのような状況を生みました。ライコネンにしろアロンソにしろ、フラットスポットや重度のブリスターができているにも関わらず、勝つためにはタイヤ交換できませんでした。安全性と勝利を天秤にかけるような状況を、可能な限り排除するのがルールの役目でしょ?
「Formula」とは「規定された枠組」のことです。規定が安全を生んでくれるからこそ、その枠組の中で思い切った競争ができるのだと思います。観客が望むものも「ギリギリ精一杯の競争」であって、レースの危険性やクラッシュのスリルではないはずです。チームやドライバーが力の限り競争できる仕組みを作ることがFIAの仕事でしょ?
次は、予選です。はっきり言って面白くない。
一昔前の予選には、レースにはない面白さがありました。単純に「最速の1LAP」を求める面白さです。そのような予選があったからこそ、セナはHeroとなりました。
今の予選は、最高のパフォーマンスで争うことはできず、レースでの出走順位を決めるためのものでしかないため、全く見所がありません。しかも、レースや次レースとも戦略上の絡みがあり、単純に速さを競うものですらありません。そんなもの、見る価値あるでしょうか?
ルールに関しては、昨今、非常に錯綜しており、来シーズンにもまた変更が予定されているようですが、現状、当のドライバー達やチームの面々はどう考えているのでしょうか? 今回の予選の変更だけで満足?そんなことはないですよね?
コストの問題も考慮しないといけないのでしょうけど、まずは「観て面白いF1」を復活させて欲しいものです。興行は、お金を払って見る人がいてナンボのもんだと思います。