今年の夏からテレビのアナログ放送において、画面上に「アナログ」と表示することが検討されているそうです。(ネタフル、GIGAZINE、/.jp、痛いニュース、asahi.com)
各所のblogやBBSでも猛烈な反発が起きていますが、さもありなん。
[1] 視聴者をないがしろ
民放はCM放送中も流すことになりそうだ。だが、民放には「広告主の理解を得られるか」(キー局幹部)との懸念もある。
というのは、「視聴者の意向はどうでもいい」と聞こえてきます。言い古された話ですが、視聴者の権利はどこまで保護されるべきなんでしょうかね? 民放局に直接お金を払う顧客ではないけれど、サービスの対象ではあると思うのですが…。
[2] 地デジ受信機の普及をなぜ急ぐ?
07年3月の調査では、地デジ受信機は全国約1400万世帯に普及。今夏の北京五輪時に約2400万世帯、11年4月までに全世帯(5千万)に普及させる計画。
私は、「まだ3年もある」という意識をもっています。なぜ今夏から強制するのか。低所得者への対応や、地デジ難視聴となる650万世帯への対策も全くできていない現在の状態で。
ついでに言うと、今、アナログから地デジに変更すると、「コピーワンス」や「チャンネル切り替え時のタイムラグ」、「地方局の未サポート(例:ちばテレビと東京MXテレビが映らない)」等、ありがたくない仕様がもれなくついてきます。画質等にこだわらない一般視聴者には、乗り換えメリットなんて、ほとんど無いはず。
特に、私のような「PCで録画」しているユーザにとっては、地デジへの切り替えは面倒。HDCP対応モニタとGPU、COPPドライバが必要って言われても、かなりの出費になります。
[3] 「アナログ停波の認知度を高めること」と「地デジ受信機の普及」は別
現状で実施する必要があるのは前者のみだと思うし、それはある程度できていると思う。停波の広報さえできているなら、後の対応は視聴者に任せてほしいところ。
ほとんどの世帯では「認知はしているけど、買い替え時期が来るまで静観」しているだけでしょ。壊れてもいない高額電気機器を買い換えるための出費なんてできないですよね?
地デジ受信機の購買が、停波直前に集中するのを防ぐ目的は理解した上で、今回の措置は一方的でやり過ぎだと思う。