個人的には、「ITアーキテクト」という言葉の定義について、執拗に求める気は全く無い。それでも、「大体こういう人を指す言葉である」という程度の共通認識を定義する必要はあるのでしょう。
@ITに、「ITアーキテクト」という言葉についての記事が3件あったのですが、興味深いことに3件それぞれに内容が異なっていました。
- ITアーキテクトが備えるべきスキル標準
IBMのIT技術者キャリアパスをベースとした、IPAのITA委員会による定義。図2が興味深い。これが私の認識に一番近い。ざっくり言ってしまうと「ビジネス要件からシステムを設計する人」ってことでしょ。 - .NET開発者のための「アーキテクトへの道」
IPAの定義と大きく異なるわけではないが、「新技術の積極的な導入」という部分が大きくフォーカスされている部分が異なる。「ディベロッパーは堅実、アーキテクトは挑戦的」のように書かれているが、果たしてそうか? 好奇心は必要だし、新技術をいち早く吸収することも必要だろうけど、その導入を推進することがアーキテクトの資質とは思わないのだが…。 - ITアーキテクトへの“脱皮”の覚悟
この記事では、「ITアーキテクト」を明確に説明できていない。記事にも「現場の意見の統一という意味ではまだまだ、といった感が強い。」と記載されており、定義を避けているが、「『ITアーキテクト』とは、近年『プログラマよりも一段上の立場』という意味合いで用いられることが多い」という部分から展開される論旨は、大きな誤解をしているか、大きな誤解を招くと思う。やっぱり、こうした記事では、「設計のスペシャリストと実装のスペシャリストとは職種が異なるから、どっちが上位ってことは無い」という旨を明確にして欲しいですなぁ。
[追記9/7] IBMのITアーキのインタビューが、具体的にリアルで好い。