2007年12月31日の発売から遅れること3週間近く、3晩かけて拝読致しました。
「物語が始まる前から、結末が決まっている」、たどり着くまでの過程のみを娯楽化するというのは、相当な生みの苦しみがあるだろうということは想像できますし、ましてや人気シリーズの2次展開ですから、原作ファンの評価が厳しくなることも目に見えています。かくいう私もその一人。現に、アニメ化された時にも「テンションが足りないよなぁ…」って不満がありましたしね。
しかし、結論からいうと、今回は結構面白かった。楽しめました。奈須きのことは異なる筆力で描かれるFateに、違和感・嫌悪感は感じなかった。というのは、ノベルっていうメディア形式だと、自身の想像で作り出す部分が大きく、そのイメージ構築を醸成するセンテンスが多かったってことですかね。
原作との違いを挙げるなら、今回は二人のキャラクターにかなり特化して深堀しているってことかな。二人とは、言うまでも無く、衛宮切嗣と言峰綺礼。Fate/stay nightって、どこか客観的に出来事を俯瞰しているところがあって叙事詩的な趣きが強く感じられますが、比すると、Fate/Zeroは心情描写、こころの変遷を描いているところが多く、キャラと同じ高さの目線で物語を楽しむ感覚ですかね。
Fate/Zeroには、「外伝」「サイドストーリー」という原作保護のためのラベルを貼る必要はないと感じました。Fate saga本編の一つという位置づけでいいんじゃないでしょうか?
2008.1.20 (Sunday)
Fate/Zero 読了
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