NISSANがWEC、TOYOTAがWECに加えWRC、HONDAがFormula 1。motor sportsに日本の自動車メーカーが戻ってきつつあることは、本当に嬉しいことです。しかし、懸念はあります。
まず、関係者やファンには「日本企業は、景気が悪くなれば、すぐ撤退する」という意識が根強く残っているんじゃないかなぁ、ということ。90年代バブル時期のF1に日本企業マネーが大量に流れこんだ後、バブル崩壊とF1ブーム終焉に合わせて潮が引くように撤退していった悪印象が、私にとって強いです。「日本人にとって不倫は文化でもmotor sportsは文化ではない。所詮、一時参加の外様であり、旗本にはできん。」的に思う方も多いような。今回の参戦も、円安による輸出企業の好業績が影響していることは間違いありませんしね。euro企業とは違う。
不景気だと、小林可夢偉のようなdriverにも、大口・長期のスポンサーが付かないとかいうのも、なんだかなぁって感じですし。
第2に、HONDA F1参戦の目的として、今回も「一般車への技術フィードバック」を公言していますが、実際どれほどの費用対効果が得られるのか、非常に疑問です。やっぱり、昨今のmotor sportsって、プロパガンダを目的とした投資でしかあり得ないんじゃないかと。あとは、ごく一部の技術者の鍛錬の場か…。
「一般車へのフィードバック」というのが、外部向けのタテマエであり、参戦費用捻出のための方便ってことであれば好いのですが、sports carが買われない時代に、本気で研究が主目的だと考えているのであれば、元が取れない「浪漫主義」事業として、継続性の無いお遊びと思われちゃうのではないでしょうか。
「一般車への技術フィードバック」が目的なら、適するのはFormula Eの方かもしれませんね。
[元記事]
・F1にホンダ、ルマンに日産… 車大手、レースへ再加速:朝日新聞デジタル [2015/02/11]