3大メガバンクに留まらず、上場企業の7割が法人税を納めていないのです
がネチズンの注目を集めているようですね。私もそうした事実を知らなくて驚いたので、ちょっと調べてみました。
まず、記事にある"法人税"というのは、法人の所得のみを課税標準とした従来の法人事業税のことでしょうね、きっと。で、日本の法人の7割は欠損法人(決算上赤字の会社)であり、従来は「欠損を生じている赤字法人の税負担はゼロ」でしたから、元記事のような話になるわけです。
しかし、そこで反論が2つ。
1つめは、「日本の法人のほとんどが中小企業」ということ。
上場企業に限っていうなら「7割が赤字」ってことは無いように思います。証券所の目もありますし。また、資本金1億未満の中小企業に対しては、大企業ほどの法人税収を期待してはいけない気もします。
なお、中小企業に赤字会計が多い理由については、現在の税制において課税回避策を講じると統計上そうなる、という見解もあり、実態は「危機的状況」というわけではないと思われます。(おかしな現象だとは思いますが…)
2つめは、「平成16年4月1日から外形標準課税が導入・施行されている」ということ。
現在では、所得以外の要素、つまり、資本や賃金、単年度損益によって、法人事業税の25%が規定されています。なので、単純に「欠損法人の法人税率はゼロ」ってわけではないってことです。
ってことで、多少安心しました。こういうの、たまに調べてみると興味深いですね。ググれば数分ですし。