ITProに「日本のソフトウエア産業、衰退の真因」という記事があった。(1ヵ月以上前だが…)
品質に関して重大責任を負うに至ったソフトウエア開発ビジネスで、成果責任を負わない派遣形態がかくも横行しているのは日本だけである。
という部分にfocusされているようだ。述べられている内容はわかりやすく、また我々の実感とも合致する。欲を言えば、過去のいきさつよりも、”今後の対策”の方に紙面を割いて頂きたかったが…。
要するに、現場では矛盾だらけなのである。誤解を恐れずに端的に言うと、
- 開発生産性を上げれば上げるほど、売り上げは下がる
- 開発システムを「見える化」するほど、そのシステムの運管・更新を他ベンダーに奪われ易い
というところか。
技術的にも、生産性重視により、Software Factory的な単純流れ作業が多くなり、programingはCreativeな作業ではなくなった。kitaj氏のblogにある
しかし,RoRでアプリ作ってると言葉で説明できない虚しさが残るんだよな.なんかプログラミングの楽しさが少ないというか.単にRoRの使い方をどんどん覚えているだけというか.あまりにもなんでもかんでもフレームワークが吸収しちゃってるせいで,オレってばスゲー感が少ないというか.
というのが、多くの技術者の心情ではないか。
といって、技術者の重心を、より上流の”要求開発”や”モデリング”に移せているかというと、中小のベンダーでそうした教育ができているとは言い難い。
なんと、面白味のない産業であることか…。ソフトウェアは、様々な産業を支える基盤として必要とされているにも関わらず、その品質の低下は止まる術を持たず、国際競争力も低いままで…。日本は、平和過ぎたのかな…。